2つの運賃見積もりを比較する方法 同じ条件で総額を確認
概要: 運賃見積もりは、同じ貨物と業務範囲にかかる費用を合計して比較します。安い方を選ぶ前に、輸送ルート、課金単位、日付、対象外の費用をそろえましょう。以下の架空の計算例では、見積もりBがUS$659、見積もりAがUS$727です。Bは海上運賃の単価が高くても、総額ではUS$68安くなります。必要な費用の金額が未提示なら、まだ総額を比較できません。

両方の見積もりの前提をそろえる
両社に同じ貨物条件書を渡します。品目、最終梱包後の寸法、総重量、荷扱い単位、特別な取扱いの要否を記載してください。集荷先と配送先の住所、出荷準備完了日、希望する納品期間も含めます。DHLの運賃見積もりガイドは、重量、寸法、輸送ルート、輸送手段、追加サービスを料金算定の情報として挙げています。
売買契約の条件と輸送業務の範囲は、別々の欄に記録します。ICCの説明によると、Incotermsの規則は売り手と買い手の作業、費用、リスクの分担を定めます。購入時のIncotermsだけでは、フォワーダーの見積金額に何が含まれるかをすべて把握できません。適用する版と指定地を記録したうえで、各社に業務の開始地点と終了地点を明記してもらいましょう。
CBM計算機で容積を確認するときは、梱包後の寸法を使います。一方が単体のカートン、もう一方がパレット積みを前提としている場合は、総額を比較する前に両方の見積もりを取り直してください。
業務範囲と費用を1つの表にまとめる
計算例:以下の金額はすべて、比較方法を説明するために設定した架空の数値です。実際の相場、顧客の貨物、Suaid Globalの見積もりではありません。
両方の見積もりは、2.4 m³、480 kgの貨物をLCLで、同じ出発地のコンテナ・フレート・ステーション(CFS)から同じ仕向地CFSまで輸送するものです。貨物条件書には両施設の名称と住所を記載しています。この演習では、その範囲で必要な費用をすべて下表に示しています。
| 比較項目 | 見積もりA | 見積もりB |
|---|---|---|
| 貨物と輸送ルート | 同じ2.4 m³、480 kgの貨物。出発地CFS Aから仕向地CFS Bまで | 同じ貨物・施設 |
| 購入条件 | 同じIncoterms、版、指定地 | 同じ購入条件 |
| 業務範囲 | CFSからCFSまで。下記の荷役と書類作成を含む | 同じ範囲 |
| 輸送ルートと所要日数 | 同じサービス、輸送ルート、所要日数の見込みを想定 | 同じ条件。納品保証は想定しない |
| 見積日と有効期限 | 日付をそろえ、予定の出荷に有効であることを確認 | 同じ条件 |
| 出荷準備完了日と締切 | 同じ出荷日。各締切を確認済み | 同じ条件 |
| 通貨と支払条件 | USD。同じ支払条件を想定 | USD。為替換算は不要 |
| 契約上の課金基準 | m³と総重量のメートルトン数のうち大きい方。最低1単位 | 同じ仮定 |
| 課金数量 | 重量・容積基準で2.4単位 | 重量・容積基準で2.4単位 |
| 1単位あたりの海上運賃 | US$80 | US$110 |
| 海上運賃 | 2.4 × US$80 = US$192 | 2.4 × US$110 = US$264 |
| 出発地荷役費用 | 1出荷あたりUS$120 | 1出荷あたりUS$120 |
| 仕向地荷役費用 | 1出荷あたりUS$360 | 1出荷あたりUS$230 |
| 書類作成費用 | 1出荷あたりUS$55 | 1出荷あたりUS$45 |
| 集荷と最終配送 | 今回の比較の対象外 | 同じ費用を対象外とする |
| 通関と関税・税金 | 今回の比較の対象外 | 同じ費用を対象外とする |
| 保険と例外的な保管費用 | 今回の比較の対象外 | 同じ費用を対象外とする |
| 定めた範囲の合計 | US$727 | US$659 |
課金数量はmax(2.4, 480 ÷ 1,000, 1) = 2.4単位です。Aの合計は192 + 120 + 360 + 55 = 727、Bの合計は264 + 120 + 230 + 45 = 659です。
Bは海上運賃がUS$72高い一方、仕向地荷役費用がUS$130、書類作成費用がUS$10安くなります。差し引きでUS$68の節約です。これは明記したCFS間の業務の比較であり、倉庫への搬入までの総費用ではありません。
この例では、両方の見積もりの最低課金数量を1単位と仮定しています。Danmarの運送約款・料金規則を見ると、各見積もりの課金方法を確認する必要性が分かります。そこに記載された規則は、その運賃表に適用されるものです。実際の見積もりごとに、最低課金数量、端数処理の方法、段積みできない貨物の扱いを確認してください。
未記入の費用と一括料金の内訳を確認してから決める
費用の記載漏れで、比較結果は変わります。Bに海上運賃US$264、出発地荷役費用US$120、書類作成費用US$45が記載され、仕向地費用は「後日提示」となっている場合を考えましょう。判明済みの小計はUS$429です。仕向地費用は未確定のままで、まだ総額を比較できません。仕向地費用US$230が確定して初めて、総額はUS$659になります。
公開されている料金でも、こうした区別があります。Maerskの料金ページには、表示されたLCL海上運賃とは別に、出発地と仕向地の両方で現地費用がかかると明記されています。
各費目を「個別に金額提示」「一括料金に含む」「対象外」「条件付きで発生」「未確定」に分けます。一括料金に含まれる費用は、どの一括料金に含まれるかを記載し、二重に加算しないようにします。対象外のサービスが比較上必要なら、その金額を確認して該当の見積もりに加えてください。特定の場合にだけ発生する費用は、発生条件と単価を独立した行に記録します。
通貨が異なる見積もりでは、提示された金額と換算後の金額を並べて表示します。使用した為替レート、出典、日付に加え、提示された為替換算手数料を記録してください。請求時の為替レートが変わる可能性も確認しましょう。予算に使ったレートで、最終請求額が固定されるわけではありません。
各費用の意味は、フォワーダー費用ガイドで確認できます。会社自体を確認する際は、フォワーダーの選び方ガイドを参照してください。
不足している情報を依頼する文面
添付の見積書を当社の貨物条件書に合わせて修正し、以下の点をご確認ください。
- 梱包後の寸法、総重量、荷扱い単位、貨物の詳細が同じであること。
- 出発地・仕向地の具体的な施設、輸送ルート、含まれるサービス。
- 各費目の通貨、課金単位、数量、最低課金数量、端数処理の規則。
- 一括料金に含まれる費用、個別に金額を提示する費用、対象外の費用、条件付きの費用、未確定の費用の区別。
- 仕向地費用を含め、必要なサービスのうち金額が未提示のもの。
- 見積日、有効期限、出荷準備完了日、各締切、輸送所要日数の見込み。
- 支払条件、為替レートの適用条件、請求までに変更される可能性のある費用。
対象外の費用と条件付きの費用を別に示したうえで、この業務範囲の修正後の総額をご提示ください。
更新された見積書を比較表と一緒に保管し、各金額の出典を確認できるようにします。運賃見積もりを依頼する際も、比較に使ったものと同じ貨物条件書と業務範囲を送ってください。
出典
- DHL:運賃見積もりに必要な情報
- ICC:Incotermsの規則
- Maersk:料金と見積もり — LCLの現地費用に関する注記。
- DHL Global Forwarding/Danmar:適用される運送約款・料金規則 — 規則2.2および6。